今回は、パソコン用語の「ストレージ」について、初心者向けにわかりやすく解説します。
ストレージはパソコンを選ぶうえで重要な要素の一つです。パソコンの購入を考えている方はぜひご覧ください。
ストレージとは?
ストレージとは、繰り返し使用するデータを記憶する場所のことです。ストレージが多いと、写真や動画、ソフトウェアなどをたくさん保存できます。
ストレージは、「HDD」と「SSD」の主に2つに分けられます。HDDは昔からあるストレージで、SSDは比較的最近登場したストレージです。
一部の小型ノートパソコンには、モバイル向けのストレージ「eMMC」が搭載されています。eMMCは最大でも128GB程度と、HDDやSSDと比べて容量が少なめです。
ストレージとメモリの違い

「ストレージ」と「メモリ」はどちらも「データを記憶する場所」なので混同しがちですが、ストレージはデータを「長期的」に記憶する場所なのに対し、メモリはデータを「一時的」に記憶する場所と、微妙に役割が違います。
ストレージが「引き出し」なら、メモリは「机」です。何度も繰り返し使うデータはストレージに、今すぐ使うデータはメモリに保存されます。
例えば、メモ帳を開いて文字を入力すると、その文字はメモ帳を終了させない限り残ります。これは入力した文字がメモリに保存されているからです。
ただし、この文字はパソコンの電源を落とすと消えてしまいます。メモリは一時的にしかデータを記憶できないからです。
これをパソコンの電源を落としても消えないようにするには、名前を付けて保存します。するとストレージにデータが保存され、いつでも見たり編集したりできるようになります。
メモリについてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
HDDとSSDの違い
HDDとSSDには、以下のような違いがあります。
HDD | SSD | |
---|---|---|
処理速度 | 遅い | 速い |
静音性 | 低い | 高い |
耐衝撃性 | 低い | 高い |
消費電力 | 多い | 少ない |
単価 | 安い | 高い |
違い1:処理速度
処理速度はSSDが桁違いに速いです。HDDからSSDに変えると、パソコンの起動をはじめとしたあらゆる動作の速さに驚くことでしょう。
HDDはレコードのように回転する磁気ディスクから磁気ヘッドを使ってデータの読み書きを行うのに対し、SSDは半導体素子に電気的にアクセスしてデータの読み書きを行います。SSDはHDDのように物理的な動作が必要ないので、高速な処理が可能なのです。
違い2:静音性
SSDはデータの読み書きの際に物理的な動作を必要としないことから、静音性がとても高いです。
HDDの場合、データの読み書きの際に磁気ディスクの回転音などが聞こえます。今は技術も進歩して昔ほどうるさくはないですが、気になる人はSSDを選んだほうがいいでしょう。
違い3:耐衝撃性
SSDはHDDのように可動部がないため、落下などの物理的な衝撃に強いです。
「SSDなら絶対に壊れない」というわけではないですが、パソコンを持ち歩いて使うことが多い場合はSSDのほうが安心です。
違い4:消費電力
SSDの消費電力はHDDの約3分の1と言われています。
このようにSSDの消費電力が低いのも、可動部がないからです。HDDは物理的な動作が必要となるため、その分多くの電力を消費します。
消費電力が低いということはバッテリーが長持ちするということでもあるので、ノートパソコンの場合は特にSSDを選んだほうがいいでしょう。
違い5:価格
さまざまな面でHDDより優位に立っているSSDですが、価格に関してはHDDのほうが安いです。HDDは容量あたりの単価が安く、同じ容量でもSSDの半分くらいの価格で手に入ることもあります。
できるだけ出費を抑えつつ、大容量のストレージにしたい場合は、HDD+SSDのデュアルストレージ構成にするといいでしょう。
パソコン購入後にストレージを増やす方法
実はストレージはパソコン購入後でも増やすことが可能です。その方法には以下のようなものがあります。
- 外付けストレージを購入する
- クラウドストレージを利用する
方法1:外付けストレージを購入する
1つ目は、外付けHDD、USBメモリ、SDカードなどの外付けストレージを購入する方法です。外付けストレージは、パソコンのUSBポートやSDカードスロットに差し込むことで使用できます。
複数人で共有したいデータや他のデバイスでも使用したいデータ、バックアップファイルなど普段あまり使わないデータは、外部ストレージに保存しておくといいでしょう。
方法2:クラウドストレージを利用する
2つ目は、オンラインでファイルを共有できるクラウドストレージを利用する方法です。クラウドストレージに保存したデータはパソコンの故障の影響を受けずに済みますし、スマホやタブレットからも簡単にアクセスできます。
以下のクラウドサービスは無料で使えるのでおすすめです。
- Dropbox(2GBまで)
- Googleドライブ(15GBまで)
- OneDrive(5GBまで)

OneDriveについては、上記リンクから登録していただくと、あなたと私に+0.5GBの容量が追加されてWinWinです♪
ストレージの選び方
ストレージは大きいほど多くのデータを保存できますが、同時に価格も上がります。できるだけ出費を抑えたい場合は、用途にあった容量を選ぶのがおすすめです。
具体的には、以下のような基準で選ぶといいでしょう。
- 128GB
- Webサイトの閲覧、メール、動画視聴、書類作成
- 256GB
- イラスト・漫画制作、2Dゲーム
- 512GB
- プログラミング
- 1TB
- 3DCG・CAD制作、動画編集、3Dゲーム
ストレージ以外のパーツの選び方については以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
今回は、パソコン用語の「ストレージ」について解説しました。
ストレージとは、繰り返し使用するデータを記憶する場所のことです。ストレージが多いと、写真や動画、ソフトウェアなどをたくさん保存できます。パソコンの用途に合わせて最適なストレージを選びましょう。
このブログでは、以下のパソコン用語についても解説しています。よろしければあわせてご覧ください。