今回は、パソコン用語の「CPU」について、初心者向けにわかりやすく解説します。
CPUはパソコンを選ぶうえで重要な要素の一つです。パソコンの購入を考えている方はぜひご覧ください。
CPUとは?

CPUとは、パソコン全体の処理を行うパーツのことです。「Central Processing Unit」の略で、「中央処理装置」や「中央演算処理装置」などと訳されます。
CPUの役割は「演算」と「制御」の主に2つです。ユーザーがキーボードやマウスを操作するとそれが命令としてCPUに届き、CPUが計算や各装置への指示出しを行って結果を返します。
人間で考えたとき、コピーをとるなどの簡単な作業は能力の高い・低いで作業時間にあまり差がないように、Webサイトの閲覧や書類作成などの軽めの作業では、CPU性能の高い・低いで処理速度にあまり差はありません。
処理速度に差が出てくるのは、動画編集は3Dゲームなど重めの作業を行うときです。高性能なCPUはこのような処理が複雑になる作業も難なくこなしますが、性能の低いCPUでは処理に時間がかかったり、処理できずにフリーズしたりします。
CPUの性能を表す指標
CPUの性能を判断する指標には、以下のようなものがあります。
- コア数
- スレッド数
- クロック周波数
それでは詳しく見ていきましょう。
コア数

コア数とは、CPU内で実際に処理を行うパーツの数のことです。コア数が多いと作業を分担できるので、処理が速く終わります。
スレッド数

スレッド数とは、1つのコアが同時に処理できる作業の数のことです。スレッド数が多いと1コアあたりの性能を無駄なく使えるので、効率的に処理できます。
クロック周波数

クロック周波数とは、1つのコアの動作の速さのことで、「Hz(ヘルツ)」という単位で表されます。クロック周波数が高いとテキパキ作業するので、処理が速く終わります。
Intel製CPUとAMD製CPUの違い
CPUのメーカーには、「Intel」や「AMD」があります。Intel製CPUとAMD製CPUの違いは以下のとおりです。
Intel | AMD | |
---|---|---|
マルチスレッド性能 | 高い | とても高い |
シングルスレッド性能 | とても高い | 高い |
安定感 | ばっちり | やや不安 |
価格 | 高い | 安い |
違い1:マルチスレッド性能
マルチスレッド性能とは、複数の作業を同時に処理する能力のことです。マルチスレッド性能が高いほど並行作業が快適になります。
このマルチスレッド性能に長けているのは、AMD製CPUです。Web制作、動画編集、3DCG・CAD制作など、複数のソフトを同時に立ち上げることの多いクリエイティブな作業がメインの場合は、AMD製CPUがおすすめです。
違い2:シングルスレッド性能
シングルスレッド性能とは、1つの作業を処理する能力のことです。軽めの作業やゲームにおいては、シングルスレッド性能が高いほどレスポンスが速く感じられます。
このシングルスレッド性能に長けているのは、Intel製CPUです。ネット閲覧や書類作成などの軽めの作業や応答速度がものを言うゲームがメインの場合は、Intel製CPUがおすすめです。
違い3:安定感
ソフトウェアの安定感はIntel製CPUのほうが上です。
IntelはCPU市場シェアトップのメーカーであり、数多くのパソコンがIntel製CPUを採用しているため、ソフトウェアもIntel製CPU向けに作られていることが多いです。
違い4:価格
同程度の性能なら、AMD製CPUのほうが安く手に入ります。
AMDは自社ではCPUの設計のみ行い、製造は外部の工場に委託しています。製造技術の確立や製造工場の運営にかかるコストをカットできる分、低価格での販売が可能となっています。

海外メーカーのパソコンはAMD製CPUを採用していることが多いので、国内メーカーのパソコンより安く手に入る傾向にあります。
CPUの型番の見方
CPUは「Intel Core i5-10210U」のような型番からある程度の性能を判断できます。
それでは、CPUの型番からどのようなことが読み解けるのか見ていきましょう。
メーカー名

最初に表記されているのは、CPUのメーカー名です。
ブランド名

メーカー名の次に表記されているのは、CPUのブランド名です。
シリーズ名

ブランド名の次に表記されているのは、そのブランドのシリーズ名です。「Core」や「Ryzen」の場合は数字が大きいほど高性能になります。
プロセッサー・ナンバー

シリーズ名の次に表記されているのは、そのシリーズに付与されたプロセッサー・ナンバーです。プロセッサー・ナンバーは同じシリーズであれば数字が大きいほど高性能になります。
世代

プロセッサー・ナンバーの先頭の何文字かは、そのシリーズの世代です。世代も数字が大きいほど高性能になります。最新世代はIntelが第12世代、AMDが第4世代です(2022年6月現在)。
世代の見方はちょっと特殊です。まずIntelの場合は以下のようになっています。
- 第1世代
- 番号が3桁(例)560
- 第2世代~第12世代
- 番号の先頭が2~12(例)4670 → 第4世代
一方、AMDの場合は以下のようになっています。
- 第1世代~第2世代
- 番号の先頭が1~2(例)1300 → 第1世代
- 第3世代
- 番号の先頭が4(例)4500
- 第4世代
- 番号の先頭が5(例)5800
カテゴリー

最後に表記されているのは、CPUのカテゴリーです。どのような用途で作られたCPUなのかをアルファベットで表しています。
Intelのアルファベットの意味は以下のとおりです。
- K
- デスクトップPC向けのオーバークロック対応モデル
- なし
- デスクトップPC向けの通常モデル
- H
- ノートPC向けのハイパフォーマンスモデル
- U
- ノートPC向けの省電力モデル
AMDのアルファベットの意味は以下の通りです。
- H
- ノートPC向けのハイパフォーマンスモデル
- U
- ノートPC向けのスタンダードモデル
- なし
- 通常モデル
CPUの種類と選び方
CPUには以下のような種類があります。
Intel | AMD | |
---|---|---|
最上位モデル | Core i9 | Ryzen 9 |
上位モデル | Core i7 | Ryzen 7 |
中位モデル | Core i5 | Ryzen 5 |
下位モデル | Core i3 | Ryzen 3 |
廉価モデル | Pentium Celeron | Athlon Sempron |
Webサイトの閲覧や動画視聴などの軽めの作業がメインなら廉価モデル~下位モデルが、クリエイティブな作業やゲームなどの重めの作業がメインなら中位モデル~上位モデルがおすすめです。最上位モデルは一般向けではないので、個人の方は選択肢から除外してもいいでしょう。
CPU選びで迷ったときはこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は、パソコン用語の「CPU」について解説しました。
CPUとは、パソコン全体の処理を行うパーツのことです。CPUの性能が高いと、複雑な処理も簡単に行えます。パソコンの用途に合わせて最適なCPUを選びましょう。
このブログでは、以下のパソコン用語についても解説しています。よろしければあわせてご覧ください。