Excelで「○点以上なら『合格』、○点以下なら『不合格』」というように、条件によって値を変えたい場合、「IF関数」を使うのが一般的。
ですが、指定したい条件が3つ以上になると、どういう数式にすればいいか分からなくなってしまいませんか?
そこで今回は、Excelで3つ以上の複数条件で分岐させる方法をご紹介します。
実はIF関数以外にも条件分岐に使える関数はいくつかあります。使い方とともに解説しますので、ぜひこの機会に覚えてみてくださいね。
なお、複数条件でデータを抽出する方法については以下の記事で解説していますのでそちらをご覧ください。
Excelで3つ以上の複数条件で分岐させる方法
Excelで3つ以上の複数条件で分岐させる方法には、以下のようなものがあります。
- IF関数を使う
- IFS関数を使う
- SWITCH関数を使う
IF関数を使う
1つ目は、IF関数を使う方法です。
IF関数とは、条件が成立した場合の処理と成立しなかった場合の処理を指定できる関数です。
IF(条件,条件が成立した場合の処理,条件が成立しなかった場合の処理)
たとえば、「B2の値が80以上なら『○』、50以上なら『△』、それ以外は『×』」としたい場合、数式は以下のようになります。

=IF(B2>=80,"○",IF(B2>=50,"△","×"))
1つ目の条件(B2>=80)が成立しなかった場合の処理の部分でさらにIF関数を使うことで、2つ目の条件(B2>=50)と、2つ目の条件も成立しなかった場合の処理を指定することができます。
簡単に言うと、「IF関数の第3引数でさらにIF関数を使う」ということですね。
条件が4つの場合は、2つ目のIF関数の第3引数でさらにIF関数を使えばOKです。
ただこの方法は、条件が増えれば増えるほど数式が複雑になり、修正が難しくなります。
IFS関数を使う
2つ目は、IFS関数(Excel2016で追加)を使う方法です。
IFS関数とは、直前に指定した条件が成立した場合の処理を指定できる関数です。
IFS(条件1,条件1が成立した場合の処理,条件2,条件2が成立した場合の処理,条件3,条件3が成立した場合の処理…)
たとえば、「B2の値が80以上なら『○』、50以上なら『△』、それ以外は『×』」としたい場合、数式は以下のようになります。

=IFS(B2>=80,"○",B2>=50,"△",TRUE,"×")
「TRUE」は「今までのどの条件も満たさない場合」という意味になります。もちろん、「B2<=49」と具体的な条件を指定してもOKです。
IFS関数はIF関数と違い、条件が3つ以上でも入れ子にならないので修正が楽です。Excel2016以降をお使いの方は迷わずIFS関数を使いましょう。
SWITCH関数を使う
3つ目は、SWITCH関数(Excel2016で追加)を使う方法です。
SWITCH関数とは、ある式に対して値ごとの結果を指定できる関数です。
SWITCH(式,値1,結果1,値2,結果2,…,[既定値])
どの値とも一致しない場合の結果は、最後に既定値として指定します。既定値は省略可能です。
たとえば、「C2の値が○なら『A』、△なら『B』、×なら『C』」としたい場合、数式は以下のようになります。

=SWITCH(C2,"○","A","△","B","×","C")
このように、SWITCH関数はIF関数やIFS関数を使うより数式をコンパクトにまとめることができます。
ただし、「○以上」「○以下」といった、あやふやな値を指定することはできないので注意しましょう。

SWITCH関数は式と値が「=」で繋がる場合のみ使えるということですね。
Excelで複雑な条件を指定する方法
たとえば、一つ一つの条件が「AまたはB」「AかつB」のように複雑な場合は、OR関数やAND関数を使いましょう。
OR関数やAND関数を使った条件の指定方法は以下の記事で詳しく解説しています。
Excelでセルの値に応じて書式を変更する方法
「C列が『○』の行の背景を黄色にする」というように、セルの値に応じて書式を変更したいときは、条件付き書式を使いましょう。
条件に応じて背景の色を変える方法については以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
今回は、Excelで3つ以上の複数条件で分岐させる方法をご紹介しました。
IF関数を使う場合は、第3引数でさらにIF関数を使う(入れ子にする)ことで、3つ以上の条件を指定することができます。
Excel2016以降をお使いの方には、数式がシンプルで分かりやすい、IFS関数やSWITCH関数を使う方法がおすすめです。