Excelで入力済みの文字列に改行を入れたいときや、改行を含む文字列を別の文字列に置換したいとき、いちいちキーボード操作で改行を入れたり、文字列を入力し直したりするのは面倒ですよね。
そこで今回は、手作業より簡単に特定の文字列を改行に置換する方法や、改行を含む文字列を別の文字列に置換する方法をご紹介します。
今回使用する機能・関数
Excelで特定の文字列を改行に置換したり、改行を含む文字列を別の文字列に置換したりするには、以下のような機能や関数を使います。
- 置換機能
- SUBSTITUTE関数
- REPLACE関数
- CHAR関数
置換機能
置換機能とは、指定した文字列を別の文字列に置き換える機能のことです。置換機能を使うと、文字列を直接編集することができます。
SUBSTITUTE関数
SUBSTITUTE関数とは、指定した文字列を別の文字列に置き換える関数です。
SUBSTITUTE(文字列,検索文字列,置換文字列,置換対象)
- 文字列
- 置き換えたい文字列を含む文字列またはセルを指定する
- 検索文字列
- 置き換えたい文字列を指定する
- 置換文字列
- 置き換えた後の文字列を指定する
- 置換対象
- 【検索文字列】が複数見つかった場合、左から何番目を置き換えるか指定する。省略可能。
REPLACE関数
REPLACE関数とは、指定した文字数の文字列を別の文字列に置き換える関数です。
REPLACE(文字列,開始位置,文字数,置換文字列)
- 文字列
- 置き換えたい文字列を含む文字列またはセルを指定する
- 開始位置
- 置き換えたい文字列が【文字列】の何番目にあるか指定する
- 文字数
- 置き換えたい文字列が【開始位置】から何文字分か指定する
- 置換文字列
- 置き換えた後の文字列を指定する
CHAR関数
CHAR関数とは、指定した文字コード(ASCII/JIS)に対応する文字を返す関数です。
CHAR(文字コード)
- 文字コード
- 文字コードを10進数の数値で指定する
たとえば、=CHAR(10)
のように引数に「10」を指定すると、「改行」が返されます。
Excelで「特定の文字列」を改行に置換する方法
スペースやハイフンなど特定の文字列を改行に置換する方法には、以下のようなものがあります。
- 置換機能を使う
- SUBSTITUTE関数とCHAR関数を使う
方法1:置換機能を使う
たとえば、置換機能を使って半角ハイフン「-」を改行に置換したいときは、[Ctrl]+[H]で「検索と置換」を立ち上げ、「置換」タブ⇒以下のように設定⇒「すべて置換」を押します。

- 検索する文字列
- 「-」と入力
- 置換後の文字列
- [Ctrl]+[J]を押す
[Ctrl]+[J]を押すと、一見何も変わらないように見えますが、実際には「改行コード」が入力されます。
「すべて置換」を押すと、すべての「-」が改行に置換されます。

方法2:SUBSTITUTE関数とCHAR関数を使う
たとえば、A2の半角ハイフン「-」を改行に置換し、置換後の文字列をB2に表示したいとします。この場合、B2に以下のような数式を入力します。

=SUBSTITUTE(A2,"-",CHAR(10))
すると、B2に以下のように表示されます。

Excelで「○番目から○文字分の文字列」を改行に置換する方法
○番目から○文字分の文字列を改行に置換するには、REPLACE関数とCHAR関数を使います。
たとえば、A2の4番目から1文字分の文字列を改行に置換し、置換後の文字列をB2に表示したいとします。この場合、B2に以下のような数式を入力します。

=REPLACE(A2,4,1,CHAR(10))
すると、B2に以下のように表示されます。

Excelで「改行を含む文字列」を別の文字列に置換する方法
改行を含む文字列を別の文字列に置換する方法には、以下のようなものがあります。
- 置換機能を使う
- CHAR関数を使う
方法1:置換機能を使う
たとえば、「000(改行)1111(改行)2222」を「33344445555」に置換するには、「検索する文字列」に「00011112222」と入力し、改行にあたる位置で[Ctrl]+[J]を押して改行コードを入力します。

これで置換を実行すると、「000(改行)1111(改行)2222」が「33344445555」に置換されます。

方法2:CHAR関数を使う
たとえば、「りんご(改行)みかん(改行)バナナ」の末尾に「ぶどう」を追加して「りんご(改行)みかん(改行)バナナ(改行)ぶどう」にしたいとします。
A2に「りんご(改行)みかん(改行)バナナ」と入力されていて、B2に「りんご(改行)みかん(改行)バナナ(改行)ぶどう」と表示するには、B2に以下のような数式を入力します。

=A2&CHAR(10)&"ぶどう"
すると、B2に以下のように表示されます。

CHAR関数を使っても改行されないときの対処法
CHAR関数を使っても改行されない場合は、[Ctrl]+[1](フルキー)で「セルの書式設定」を立ち上げ、「配置」タブ⇒「折り返して全体を表示する」にチェック⇒「OK」を押しましょう。

まとめ
今回は、Excelで特定の文字列を改行に置換する方法や、改行を含む文字列を別の文字列に置換する方法をご紹介しました。
置換したい文字列が同じ場合や、開始位置と文字数が同じ場合、置換機能や関数を使うことで一瞬で置換が完了します。どの方法も難しくないので、ぜひこの機会にマスターしましょう!